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柑橘系香料が睡眠に悪影響を及ぼす可能性

 

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柑橘系香料、というものが何を指しているのかが文面からは定かでなく、ここでは天然精油(エッセンシャルオイル)であると仮定して述べるにとどまる。なぜなら、人工的に合成された香料類では、植物から採った天然の精油成分の全てを合成することはできず、精油の持つ多彩な、複合的な効果を期待することは不可能だからだ。
さて、ここでは研究に際しそのような天然精油をきちんと用いたとして話を進めるが、まず指摘できる懸念として、「柑橘系香料」として複数の柑橘類の香りを混ぜ合わせている点にある。抗不安作用という目的をとってみれば、有効と思われる成分としてアルコール類のリナロールがあげられるが、これはオレンジやレモンなどよりもベルガモット精油に何倍も多く含まれていることが知られており、柑橘系香料と一括りにして研究することは正確性を欠くと思われる。
また、リナロールの抗不安作用に焦点を合わせた場合、用いる香りの選択肢としてはイランイラン、ネロリ、ラベンダー、ゼラニウム、クラリセージなど多くの精油を挙げることも可能であり、ブレンドした「柑橘系香料」が抗うつに一定の効果があると認められることは事実であるとしても、はたしてそれが特段「柑橘系」に限って現れるものかどうかはやや疑問であると思われる。
なお、繰り返しになるが、あくまでもこれらの検討は質の良い天然精油(エッセンシャルオイル)を使用した場合の話であり、合成香料等を使用した場合には効果がないばかりでなく、かえって悪い影響を与えかねないという点については十分に留意するべきである。

 

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うつ病の治療で最も重要なのは休養をとることです。休養をとりながら、薬物療法や精神療法休養を組み合わせて行う場合がほとんどでしょう。散歩や音楽など、気持ちがリラックスすることがあれば、無理のない範囲で生活の一部に取り入れてみるのも効果が認められます。治療中の時間の使い方は、自己判断によらず、医師との相談の上で決めていくと安心でしょう。
アロマテラピー(芳香療法)すなわち「香りを用いた療法」が、うつに効くことをご存じの方もいるでしょう。例えば、1970年代には、ミラノの植物誘導体研究所のパオロ・ロベスティ所長が「オレンジ・スイートの香りがうつや神経症に効果がある。」と言ったことが知られています。アロマは、その種類によって交感神経系あるいは副交感神経系に作用します。自律神経系は交感神経系と副交感神経系から成っています。交感神経系はストレスまたは緊張状態に備えるような働きをしていて、心拍数・呼吸数・血流量の増加、血圧の上昇、および消化運動の抑制などを引き起こします。副交感神経系はリラックスした状態で働き、心拍数・呼吸数・血流量・血圧の低下を引き起こしたり、消化運動を活発にしたりします。つまり、香りを嗅ぐことは中枢神経系を刺激あるいはリラックスさせる効果をもつわけです。やさしい匂いを嗅ぐと気持ちが緩み、気持ちが緩むと筋肉の緊張が取れ、血液循環がよくなるという連鎖が起こり、うつ症状の改善に繋がる可能性は十分にあり得ます。

 

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「柑橘系香料は睡眠に悪影響を及ぼす可能性がある」といった内容の記述がありました。

この実験で使用した柑橘系香料の成分にオレンジやレモン、ベルガモットなどと書いてあります。
ベルガモットの香りは活発になっている交感神経を鎮める、リラックス効果があります。
一方、レモンは交感神経を刺激し、活性化させると言われています。
同じ柑橘系のグレープフルーツは交感神経を優位に活発化させるという研究結果も出ているようです。

通常、睡眠時は副交感神経の作用が優位になりますが、浅い眠りのレム睡眠時には交感神経が活発になると言われています。
同じ柑橘系でも交感神経と副交感神経への作用は違うようなので、夜寝る前には交感神経を刺激せず、鎮静作用があり副交感神経を優位にしてくれるベルガモットやオレンジ・スイートはむしろおすすめされています。
なので、交感神経を優位にするものでなければ、睡眠に好影響を与えてくれるものもあるでしょう。

この実験ではどれくらいの濃度の香料を使用したものなのか分かりませんが、ある研究では添加物が入っていない高濃度の香料を使う人工香料よりも、添加物が入っている天然ラベンダーのほうが交感神経を抑制していたという結果も交感神経を抑制していたという結果もあるそうです。

交感神経・副交感神経は自律神経ですが、うつ病と自律神経は密接に関連しているとも言われています。
自律神経を整えることで、うつ病の改善にも繋がっていくでしょう。

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